U. S. M3A1 GREASE GUN SUPPRESSOR MODEL
U. S. M3A1グリースガン サプレッサーモデル

製造元:ハドソン
全長 :737mm(ストック延長時920mm)
全高 :
重量 :約3kg
総弾数:55発
値段 :24,800円
機構:ガス、ブローバック

今回紹介するのはハドソンのM3A1グリースガン・サプレッサーモデルだ。
ハドソンはマルゼンのアドバンスド・シュート・システムというガスブローバックエンジンを用いている。
このハドソンというメーカー、かなり変わったラインアップをする会社だ。
M3A1も、同時代のサブマシンガンとしてトップレベルの人気はない銃だと思う。
しかも、さらにマイナーなサプレッサーモデルまで出すとは……。
さすがに通常商品ではなく、限定1000挺で販売された。

M3A1は第二次世界大戦でアメリカ軍が採用したサブマシンガンである。
この頃、アメリカ軍のサブマシンガンはトンプソンM1A1。
この銃は性能は良かったが複雑な構造で、大量生産するには向かなかった。そこで登場したのがM3A1である。
M3A1の一歩前のタイプであるM3は、自動車メーカーのGM社が開発に携わり、プレスと溶接で作れる大量生産向きの設計として生まれた。
M3からさらに生産性を向上させたものがM3A1で、コッキングハンドルのレバーが邪魔なので、ボルトに凹みをつけ、そこに指を突っこんで、コッキングする方式になっている。随分と凄いことを考えた人がいるものだ。連射後には熱くなっていると思うのだが……。
M3とM3A1はその形状がグリス注入の道具に似ているので「グリースガン」と呼ばれている。名前からも分かるように、あまり格好良くはない。多分、この時代のサブマシンガンの人気投票をしたら絶対シュマイザーやトミーガンに負けると思う……。
そのためか、大戦中の米軍を扱った映画にもあまり出てこない。戦後、自衛隊でも採用されており、また今でもその残りが現役である。アメリカにもかなり残っている。

前置きが長かったが、M3A1サイレンサーモデルはそのM3A1の中でも異色の存在だ。
サイレンサー付きモデルは当初陸軍の要請で研究され、頓挫していたのだが、後にOSS(戦略情報局。CIAの前身)がベル研究所に依頼し、実用性の高いサイレンサーを完成させた。
バレル本体も改造したこのグリースガンの発射音は、約250m離れると銃の音と分からないとされる。
このベル研究所タイプのサイレンサーを付けたM3A1(またはM3)は、日本やドイツの占領下の地域に潜入したOSSの隊員やレジスタンスによって用いられた。
また、ベトナム戦争ではこのモデルの中国製コピーが用いられている。
この他、1960年代には消音効果が高いAMFサイレンサーというストレートタイプのサイレンサーをつけたM3A1が特殊任務に用いられたという。

鉄板を切っただけのようなトリガー。そしてプレス製の安いイメージ…と、確かに格好良くはない。
トリガーガードの前にあるのは実銃にはないガスガンオリジナルのセイフティ。
これほどみっともないセイフティを見たことはない。はずしても穴が残るし、どうにかして欲しかったところだ。


サプレッサー部分はアルミ、本体はABS樹脂だが、塗装が統一されており、違和感は感じない。
サプレッサーの太い部分の内部はただの空洞のパイプで、細い部分の内部にはウレタンが入っている。

本来のグリースガンは古いデザインの銃だが、サプレッサーが付くとかなり印象が変わる。

ボルトのストロークは長く、フルオートの回転は電動ガンなどと比べると遅いが、力強い感じ。
インナーバレルがぐらついており、弾はまとまってくれない。
ここは後で固定方法を考えて改善しよう。最も、そもそも照準が大雑把なので命中精度の向上には限度があるだろう。

肝心の消音効果だが、はっきり言ってブローバックの作動音のほうがはるかにやかましいのであまり役に立っているという実感はない。雰囲気を楽しむものだと割り切ったほうが良いだろう。
特に室内で撃つと音が響くので、住宅環境によっては撃つタイミングが難しい銃だ。

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