今回紹介するのはKSCのストライクガンだ。
元々はZ-M WeaponsのAlan Zitta(アラン・ジッタ。日本語表記ではジィッタと表記したりゼタと表記したり、各記事でバラバラ)が作ったカスタムだ。
KSCのSTIエッジが最初に発売された際、このカスタムにするためのパーツが売られていたので、知っている人も多いと思う。それを今回はKSC自ら製品化したというのは少なからず驚きだった。
まず、モデルとなった実銃の紹介から始めよう。
ストライクガンは1994年のショットショーで発表された。
その後改良が加えられものがコンバットマガジン1994年9月号で記事になっている。
(コンバットマガジン1994年9月号P31、P32から引用)
フレームはマコーミックのハイキャパ。スライドはコルトのMkIV Series 80、サイトはBO-MARのアジャスタブル。グリップは角が落とされ、ハイグリップ可能なように加工してある。ワイドなアンビセイフティ、ビーバーテイル・グリップセイフティを装備。しかし目を引くのは
・ピンがついたマズルガード
・メインスプリングハウジングから伸びた格闘用のスパイク
・スライドにつけられたハンマーシェラウド(サイトガードも兼ねる)
この3点だろう。いずれも近接戦闘での格闘を考慮したデザインだという。
攻撃的、かつ特異なモデルで、当時高校生だった私にもインパクトがあった。
このストライクガンの1999年版が今回のKSCの製品なのだ。
ベースは元々ガスガンで出ていたSTIエッジ。
KSCのエッジと言えば、私は初期型しか扱ったことがなかった。
その印象が抜けなかったため、KSCのハイキャパを買うことはその後無かったのだが…
かなり強烈な印象を生むマズルガード。
金属製のため結構重い。 |
仕上げが美しいフレーム |
99年モデルではスパイクではなくフック。
KSC製品では購入後に自分でつける。 |
ハンマーシェラウドの肉抜きはZの文字。
快傑ズバットではない。 |
しかしこのカスタム、当時から疑問だったのだがどういう人がどのように使うのだろうか?
いわゆるコンシールド・キャリーの銃にしては大きく、重い。咄嗟に引き抜くには突起の多いデザインだし、フックのせいでショルダーホルスターに入れるとかなりおかしな格好になる。レッグホルスターに入れるしかないのだろうか。どのみち邪魔ではある。
フックはプローン(伏射)時のモノポッドの役割だというが、拳銃でプローンを撃つ状況とは一体どんなものなのだろう。格闘に使うのはまだ分かるが…
サイトは、室内戦やCQBではホワイトや夜光が入ったもののほうが見やすいのでは?
……と色々疑問がある。どうせなら雑誌記事でその辺も突っ込んで欲しかったところだ。
それと、ストライクガンには各年ごとにモデルがあるのだが、私は94年と99年しか知らない。
他のモデルも見てみたいが、雑誌で特集でも組まれない限り無理だろう。
以上、色々突っ込みを入れたが、強烈な個性を持つストライクガン自体は好きだ。
映画「リベリオン - EQUILIBRIUM - 」のガン=カタ(銃を持った状態での格闘の技術)なんて、この銃のアイディアに近いものがあるのではないだろうか(映画はさすがに派手だが)。
映画を見たあとこの銃を見て、二挺揃えて構えたくなる人もいるかもしれない(そうか?)
かなり見くびって撃ったのだが、スピードも反動もかなり強い。
やや左にそれたが、5mで3cmに楽々入る命中精度だ。
以前撃ったことのある初期型のエッジとは雲泥の差で、命中精度も作動も申し分ない。
また、マズルガード、フックなどの金属パーツのためにかなり重量感がある(が、マズルガードをはずさないとフィールドストリッピングできないという欠点も…)。
この種の特殊なカスタムが好きな人には間違いなく満足のいく製品だ。 |