今回紹介するのはタナカのスプリングフィールドM1911A1チャンピオンだ。
タナカはかつてスプリングフィールド社のガバを製造していた。
その頃の製品だ。
元の銃はスプリングフィールド・アーモリーの同名M1911クローン。
スプリングフィールドは昔からガバ系の製品で知られるが、チャンピオンはその中でも一風変わっている。
ガバを見慣れた人は上の写真を見て気付くだろうが、グリップフレームのサイズはスタンダードサイズ、スライドや銃身の長さはコマンダーサイズなのだ。
同様の組み合わせのガバはキンバー社などで例がある。
西日が入る部屋で撮影したためこんな写真に
今となってはややクラシックな印象の銃である。
現在スプリングフィールド社が製造しているチャンピオンはリニューアルされ、よりカスタム・ガバらしいものになっている。 タナカが製品化したのは初期の頃のものだ。
ノーマル・ガバ(あるいはコマンダー)とほぼ同じデザインになっている。
唯一の違いは、グリップセイフティが後ろに伸びている点だろうか。
カスタムによく見られるビーバーテイルではなく、いわゆるダックテイルとも少し違う。
この頃のタナカは仕上げも比較的良く、パーティングラインは消されている。
グリップはプラのいかにも安っぽいもので、これは交換したいところだ。
特徴あるスプリングフィールドの刻印。
スライドには排莢をスムーズにするために削り込みがある。
このガバはWAのマグナ・ブローバックのパテントを借りて作られている。
付属のマニュアルもWA社のガバのものだ。タナカのマニュアルは一枚もない。
当時(1997年頃)はWA社がマグナの技術提携を行い、WA社以外が一風変わったガバを作っている状況だったが、今ではそういう事がなくなった。方針転換だろうか。
Rマガジン採用であり、ガス漏れはない。スライドとフレームの間にガタはあるが、インナーバレルにあまりガタがないため、精度は現在のWA社製品に負けず劣らず良い。
一種の外観カスタムだが、今ではこういった方向の製品が出ないのはちょっと残念な気がする。 |