今回紹介するのはタナカのルガーP08だ。
ただし、東京のショップ・むげんによって数年前にカスタムされたフルオート/セミオートの切り替えが可能になっているモデル。たまに故障してフルオートオンリーになっているタナカのルガーP08を見かけるが、これはちゃんと作られたものだ。
ベースはタナカのルガーP08 8インチのヘビーウェイトモデル。
実銃のルガーでもフルオートのモデルが僅かだが試験的に作られたらしい。
The Luger Story (John Water)など、ルガー関連の本にはフルオートのルガーが存在していたと書かれている。
上がノーマル(HW)、下がフルオート。
ノーマルにはキャロムショットのローズウッド製グリップを、フルオートカスタムにはタナカの木製グリップを軽く磨いて加工したものをつけている。
このカスタム独自の内部機構について解説しよう。
ノーマルとの外見上の唯一の違い。セレクター部分。
中央がフルオート、一番上がセミオートになる。
ノーマル
フルオートカスタム。ノーマルと違い、プランジャーが付いているのが分かるだろうか。
左がノーマル、右がフルオートカスタムのトリガー・プレート。
フルオートのトリガープレートにはフルオート用のトリガーレバー(真鍮製のパーツ)と、スプリングがついている。また、プランジャーのための溝が作られている。
セイフティがフルオートの位置にあると、プランジャーは数mm前進する。そのプランジャーがトリガー・プレート内部のフルオート用トリガー・レバーを押して前進させる。
ブローバックが始まると、一旦はトリガー・レバーとトリガー・バーの関係が絶たれるのだが、閉鎖した瞬間にフルオート用トリガー・レバーがトリガー・バーを押してハンマーをリリースすることになる。つまり、フルオート用のトリガー・レバーが常にトリガー・バーを押している状態になるのだ。この関係はトリガーを押し続けている限り続く。
この機構は月刊GUN誌1999年6月号で詳しく解説されている。今回の解説も、ほとんどそこから引用した。
装弾数が少ないノーマルマガジンだとすぐ弾切れになるのでスネイルマガジンを使うのがベストだ。無論ストックも付けたほうが安定する。
フルオート時の回転はさほど速くない。最近のフルオートの拳銃(グロック18Cなど)に慣れているせいもあるだろうが、低速回転なのは実感できる。
重心がグリップよりのため、フルオートでもあまり暴れない。
しかし、トグルの動作が大きいので、バシバシバシ・・・と作動音はかなり大きい。
このフルオートルガーの楽しみは反動でも高速回転でもなく、この小気味良い音だ。
連続して動くトグルの面白さとその作動音。ガスBLKは数あれど、まさにこのカスタムでしか味わえない特徴だと言えるだろう。
どこでもいいから(できればタナカが)ルガーをリメイクしてくれないものだろうか・・・。
そして、できればその時はカービンやフルオートなどのバリエーションもラインナップに入れて欲しい。 |